成功のための読書法とは? 〈書評〉 本は10冊同時に読め!

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おはようございます。まいんどーです。

書評を書くためにも読書に励まなければならないと思い、面白そうな本や勧められた本を日々読んでいますが、読もうと思っている本の増加に読書のスピードが追いつきません。とりあえずアマゾンの「ほしい物リスト」に登録しておいてそのうち読もうなどと考えていますが、追いつきませんね。我慢できずに買って二、三冊並行して読んでしまっていて、うっかりすると読みかけの本が何冊あったのかわからなくなったりします。

ということで今回は、

成毛眞著「本は10冊同時に読め!」(三笠書房・知的生きかた文庫)です。

 

【どういう本か】

元マイクロソフト社長成毛眞氏が勧める、画期的読書術。何冊も並行して読む「超並列」読書術など、斬新な読書スタイルを提案し、クリエイティブな発想にいかに読書が重要かを説く。

 

【3つのおすすめポイント】

 

① 「クリエイティブ・クラス」を目指せ

 

この本で紹介するのは、「庶民」から脱するための読書術である。(4p)

 

この本で繰り返し強調されるのは、周囲の人間と同じような生活をし、同じようなものにしか関心を持たず、自分の頭で考えようとしない、低所得にあえぐ「庶民」と、自分の頭で考え、いろんなことに興味を持ち、さらに高所得になる「クリエイティブ・クラス」との対比です。

著者はそこから脱する基本的な姿勢として、大量の読書をすることが大切だとし、さらにいろんなジャンルの本を並行して読むことによってそれぞれの本の内容が化学反応を起こし、「庶民」にはできない発想を生み出す「超並列」読書術を提案します。

 

② ”その他大勢”から抜け出す

 

本を読むのなら大量に読む、読まないのならまったく読まない、このぐらい極端な方がいい。(69p)

 

本を読めと言っておきながら、読まない方がいいってどういうことだよ!とつっこみたかったですが、ここで言っているのは人生経験の幅を拡げるためには、他の人と同じようなことをしていてはダメだ、という主張なのです。例として3000円で飲み食いできる居酒屋に行ったかと思えば、時には一人五万円もかかる店に入ったりもする、といった具合です。悪い例として、読書では月に何冊かベストセラーを読んだりするのが一番良くない、と言っています。

まあ五万円の店に気軽に入れるくらい収入がないとできないかな、と思いますが、言わんとしていることはわかるような気がしました。

 

③ 読書案内が参考になる

 

ギャンブルに関する本もあれば、インドのIT企業についての本もあり、写真集や料理の本もある、という具合でそれぞれに関連性はない。(108p)

 

著者は「超並列」読書術の実践編として、こういう本を読んでいますよ、またはこういう本を今まで読んできましたよ、という例を具体的に挙げてくれています。これがとても面白かったです。その中の本を全部は読んでいませんが、「水滸伝」や「失敗の本質」は影響を受けて読んで本当に面白かったので、これだけでもこの本を買った甲斐があったな、と思いました。

 

【ろがるポイント!】

 

会社に行っても二日酔いで立っていられないほどだったので、保健室に直行。そんな日々を送っていた。(46p)

 

これは同期の社員と寮で飲み明かした翌日の話です。「今となってはいい思い出」と結ばれていました。

これを読んで「うわ出た出た!おっさん(失礼)の『昔は良かった』話!もうそんなおおらかな時代じゃないんですけど!」と正直思いました。前に勤めていた会社にまさにそんな自慢話ばかりしている上司がいたので。

要するに昔はよく働きよく遊んでいたんだよ、それが良かったんだよ、君たちは小さくまとまりすぎていやしないかね、といったまあある意味思いやりのこもった語りかけですよね。だから悪く取ろうという気にはなりませんが、やっぱり年を取るとそういうこと言いたくなっちゃうのかなあ、おれも、と少し考えてしまいました。

 

【まとめ】

斬新な読書術で発想の幅を拡げること。人と違った生き方を強烈に求めること。成毛氏の提唱するスタイルは勉強になりますが、それ以上にエネルギッシュに生き、自分の経験をおおらかに語る姿が読んでいて伝わってきて、読み返すと不思議と元気が出てくる本です。