成長するためにやるべきこと 〈書評〉 英雄の書

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おはようございます。まいんどーです。

最近睡眠不足が続いて、一昨日は「今日こそたっぷり寝るぞ!」と気合いを入れて布団に入ったのですが、そういう時に限ってまるで寝つけないものです。あげくの果てに朝方足がつって目が覚めるという最悪の朝を迎えました。すごくいい夢見てたのに!

というわけで今回紹介するのは

黒川伊保子著 「英雄の書」(ポプラ社)

です。

 

どういう本か

人生という名の冒険に旅立つ若者たちに贈るアドバイス。脳科学の観点から、本当の意味で成長し「英雄」となるためにどう生きるべきかを語る。

 

3つのおすすめポイント

 

① 失敗を恐れない姿勢が自分を進化させる

 

 この世のどんな失敗も、脳の成長のためにある。(17p)

 

なるべく失敗せずに、できることなら最初から成功したいと誰でも願うものです。僕もそうです。もっと言えば何も努力せずに成功できれば言うことなし。でもまあ当然そんな都合のいいことは起きません。それどころか、自分なりにがんばったつもりでも失敗することばかりです。

しかし失敗を含めた多くの体験をし、その中から失敗に使われた脳の回路を切り捨てることにより、成功するパターンを学習していくのだと著者は言います。

自分の経験を振り返ってみても、もちろん成功した時はうれしいのですが、自分が進歩したな、と思うのはだいたい手痛い失敗をした後なんですよね。そのためには、経験の数そのものを増やし、失敗の数も(たとえ望んでいなくても)増やさなければいけないということなのでしょう。

 

② 孤高になることで世界観を創っていく

 

右左脳連携を断つには、他人の思惑から離れなければいけない。(75p)

 

右脳と左脳をつなぐ脳梁(のうりょう)についての解説が、第2章「孤高の章」の重要な部分です。情報からイメージを創り出し世界観を構築する右脳と、現実的な問題解決を行う左脳。その連携を敢えて断ち、自分の世界観に没頭する時間と、連携をつなぎ、現実世界に投影して直感力を発揮する。英雄にはその二つとも必要だというのです。

難しい話ですが、自分の世界観をつくり上げるためには、友達とだらだら群れず、孤高を守る時間が必要らしいのです。僕はどちらかというと守りたくなくても孤高になってしまう方ですが(要するに友達が少ない)、そのおかげか個性的と思われることが多いです。仕事中に空想にふけっていることも多く、現実にうまく対応できていません(それでいいのか?)。

 

③ 「夢」よりも「使命感」で生きる

 

そもそも使命とは、自分のためじゃなく、誰かのために何かを成しうる覚悟。(119p)

 

人のことを思えばこそ、嫌われるようなことでもその人のために言えるし、強くなることもできるという話です。それこそが英雄のセンスであると。

このあたりの文章を読んで反省しました。日頃仕事をしていて、つい自分に甘く、人のことは厳しくジャッジしてしまうので、「おれはがんばったのに、ちゃんとやっていたのに」と思い、相手には「なんでわかってくれないのか、気を遣ってくれないのか」という具合に考えがちです。しかしそんな風に被害者意識でいる限り、うまく信頼関係なんて築けないんですよね。

 

ろがるポイント!】(本筋とは関係なく面白いと思った点)

 

私もそうだけど、ひと山越えてきたオトナたちは、これからひと山越えていく若者たちが愛しくてしょうがない。(52p)

 

この本を読んでいると、母親である著者が息子に語りかけているような温かい雰囲気がすごく伝わってきます。僕は「若者」ではありませんが、読んでいてずっと励まされているような心地良さを感じました。

 

まとめ

僕にとっては今までの自分の人生を振り返り、自分らしさを発揮するためにどう行動すべきだったか、これから何を補っていくべきか見つめ直すきっかけになりました。若者だけでなく、まだ自分は成長したいと思っている人を激励してくれる本です。