おはようございます。まいんどーです。
もうテレビを観ると年末の話題がどんどん出ていますね。歳をとると時間が過ぎるのが早く感じると言いますが、そうは言ってもいろいろあったよ今年も、と思います。オリンピックとかワールドカップとか。災害もありましたし。
そしてまだ今年も一ヶ月半もあるじゃないかと。まだまだブログも書かなきゃいけないじゃないか、と毎日パソコンに向かっています。
というわけで今回は、
ラルフ・ウォルドー・エマソン著 三浦和子訳 「[超訳]エマソンの『自己信頼』」(PHP研究所)
です。
【どういう本か】
十九世紀に活躍した思想家・詩人のエマソンが出版した論文集の中の一編。あらゆる角度から自己信頼を考察していく。
【3つのおすすめポイント】
① 自分に徹すること
誰でも教育を受けていると、次のことを確信する時期がやってくる。人をうらやむのはひどく愚かな行為であり、まねをするのは自殺に等しく、善かれ悪しかれ、自分自身をそのまま受け入れなければならないこと。(16p)
人生の中でつい人をうらやんだりうまくいっている人のまねをしたくなるのは、普通の人情のような気がします。でも、そう思うのは今の自分に不満があったり、やりたいことをやってない時ですよね。
それで何か「うまくやる方法」のようなものがどこかにあるんじゃないかと思うんですが、人と自分は違います。歳を取っていくほど、自分は自分でしかないんだなあ、とことあるごとに自覚させられます。
② あえて理解を求めない
自分の才能を発揮すべきときには、わたしは父も母も妻も兄弟も寄せつけないようにする。わたしは戸口の上に「気まぐれ」と書きたい。結局それは、気まぐれよりもいくぶんましなものだと思うが、それを説明するために一日かけるわけにはいかない。(30p)
それで自分のやりたいことをやっている時、家族と過ごす時間とか、友人とのつき合いとかで時間が取れないなんてこともあります。もっと集中したいのにさせてくれない、とつい不満がたまったりします。
でも自分がやりたいのはこれこれこういうことで、仕事以外の空いている時間は限られているので邪魔しないでほしい、とかいちいち説明するのもやりきれない。それはまったくそう思います。
説明したところであれこれ口出しされて面倒くさいのもあるし。
③ 直観を信じること
人にもともとそなわったこの叡智を、わたしたちは「直観」と名づける。これに対して、後から受ける教育は全て人から授けられるものだ。この「直観」の深い力、どんなに分析してもわからない究極の事実の中に、すべてのものの起源がある。(58p)
先ほどの「うまくやる方法」の誘惑は、この「直観」とは真逆の方向に自分を引っ張っていくと思います。本当は自分がどうしたいか、どうすべきかはわかっている。最初に感じていたことが答えのはず。しかしそれが不安だったり、勇気がなかった時にわかっていることを無視して何か違うものを求めてしまう。
それも人間の弱さなのでしょうか。
【ろがるポイント!】
わたしは旅行カバンに荷物を詰め、友人に別れを告げ、船出する。そして、ついにナポリで目覚めるのだが、わたしのかたわらには、逃げ出して置きざりにしたはずの厳しい現実、以前とまったく同じみじめな自分がしつこく横たわっている。(102p)
これは旅行熱に浮かれるアメリカ人に対して言っている批判の一部ですが、もうやめろ!やめてくれー!と叫びたくなる部分でした。自分も仕事が辛くなって旅行に出かけ、何か見つかるかもしれないと思って行ったものの何も見つからなかった苦い思い出があるからです。
自分と向き合うことから逃げちゃいけないってことですね……
【まとめ】
この本は何度読んでも目が覚めるというか、身が引き締まる思いがします。そしてまた、自分自身であらねばならない、と勇気を与えてくれる本でもあります。