おはようございます。まいんどーです。
久々の更新になってしまいましたが、今回から書評を始めてみようかと思います。
なるべく楽しく読めるような書評を心がけていきますのでよろしくお願いします。
ジャンルは特に決めず、独断と偏見で気に入った本をどんどん紹介していく予定。
今回ご紹介するのは、僕が読んだ自己啓発本の中でも一番何度も読み返していると思われる、
ダン・S・ケネディ著 枝廣淳子訳「大金持ちをランチに誘え!世界的グルが教える「大量行動の原則」」(東洋経済新報社)
です。
【どういう本か】
自己啓発本でよく言われる「◯つの法則」といった成功のための原則を、ついに「一つ」に集約してしまった画期的な本。そして人生における成功とは何なのかを、金銭や出世など世俗的な成功を超えて再定義する。
【3つのおすすめポイント】
① 訳者の熱意がすごい
私は訳しながら、本書に盛り込まれている膨大なヒントやノウハウのなかから、「これはすぐに使える!」と思った二つをピックアップし、すぐに使い始めた。「大量行動の原則」はそのひとつだ。そして、その日から、驚くべき効果が得られている。(5p)
はいこれ、一応確認しておきますがケネディ氏の言葉ではありません。訳した枝廣先生の言葉です。このお方が向学心がすごいというか、単に翻訳しただけではなくそこから自分のヒントになる部分をどんどん吸収されています。
この序言ではいかにして翻訳出版の仕事をされるようになったかというお話が語られているのですが、ここからもう面白い。この「大金持ちをランチに誘え!」でも、この本をいかに気に入ったかを熱弁されています。
② できることは全てやる「大量行動の原則」のすごさ
今日だって、ホテルのロビーであれ空港であれ、ショッピングモールであれ、カイロプラクティックの専門医が私を見かけると、「ドクター・ケネディ、こんにちは!」と大声で呼びかけるだろう。(76p)
カリスマコンサルタントであるケネディ氏が、マーケティングやセールスについてカイロプラクティックの医師たちに教える前に、専門誌を読み、セミナーに行き、真剣に勉強したことで、ついに医師たちから完全に同業者だと思われてしまうようになったという話です。
私たちは(僕もそうですが)ちょっとわからないことがあると、自分で調べもせずにすぐ人を頼ったり、最初から「難しそうだ」と勝手に思い込んで諦めてしまったりしがちです。それをケネディ氏はその気になれば専門知識を速習するのはそれほど難しくない、と言い切るのです。
何か問題があった時、一つか二つやってみてダメだったら諦めるのではなく、思いつく限りのことを全て実行せよ。このことは本文の中で何度か強調されます。
③ 「ガルシアへのメッセージ」の逸話
伝えたいポイントはこういうことだ。マッキンレー大統領は、ガルシアに届けるべき手紙をローワンに渡し、ローワンはその手紙を受け取った。ローワンは「その人はどこにいるのですか?」と尋ねはしなかったのである。(196p)
これは1898年の米西戦争にまつわる逸話からきている話らしいのですが、わりと唐突に出てきます。いかに与えられた仕事に対して主体性と責任感を持って取り組むか、という話だと思いました。僕は勉強不足でその戦争の経緯も何も知らずに読んでいたのですが、妙に心に残る部分でした。
この本では自己イメージの変革と主体的な行動の大切さを説く部分がメインですが、それだけではなく「ではどういう人間だったら雇いたいだろうか?」という経営者側の視点も入っているのが面白いと思いました。このローワンという男は、働く者の理想像として挙げられていたのです。
【ろがるポイント!】(本筋とは関係なく面白いと思った点)
この本、「〜ときたら」という独特な言い回しが何度も出てきます。
ところが!ダン・ケネディ先生ときたら、三つどころではない。(5p)
車体後部ときたら、荷造り用ワイヤーと木片、そして引き締めネジからなる珍妙な装置で何とかくっついているというありさまだった。(54p)
それに、育った家の庭ときたら、絶えず芝刈りや草むしりをしなくてはならなかった(89p)
などなど。要するにボヤきのニュアンスが入っているのですが、読み返すたびにニヤッとしています。これ以外にも全体的にユーモアにあふれていて、ケネディ氏の気さくな語り口と、枝廣先生の温かみのある訳文で、時間が経つとまた読み返したくなります。
【まとめ】
まず一つ一つのエピソードが面白く、さらに自分の人生は自力で変えていけるんだと希望を与えてくれる本でした。特に(枝廣訳を通した)ケネディ氏の語り口がとてもフレンドリーで楽しいので引き込まれます。
何かに行き詰まった時、「もっと自分にできることはあるんじゃないか?」と行動を促してくれる本です。